「朝起きたら、プリンターの中が樹脂のスパゲッティになっていた……」 「数千円するフィラメントの半分を失敗でゴミにしてしまった……」
3Dプリンター初心者が必ず通るこの絶望。実は、失敗の8割は「1層目の定着」に集約されます。
この記事では、無駄なフィラメント消費(=お金の浪費)を抑え、成功率を100%に近づけるための鉄則と、プロも愛用する「失敗回避の必須アイテム」を紹介します。
鉄則1:レベリングと「Zオフセット」の追い込み
1. 「紙1枚」の感覚をマスターする(手動レベリング)
自動レベリング機能がない機種の場合、頼れるのは「自分の手」と「コピー用紙1枚」だけです。
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やり方: ベッドの4隅でノズルとベッドの間に紙を挟み、紙を動かしたときに「少し抵抗(ズズッという感触)がある」状態にネジを調整します。
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注意点: 1箇所を調整すると他の3箇所の高さも変わります。必ず「対角線状に3〜4周」繰り返すのが鉄則です。
2. 「自動レベリング」搭載機を選ぶのが最大の失敗対策
2025年現在、これから新しくプリンターを買うのであれば、自動レベリング(Auto Bed Leveling)機能付きの機種を選ぶことが、失敗をゼロにする最短ルートです。
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なぜ重要か: 金属センサーや加圧センサーがベッドの歪みを数千ポイントで検知し、ソフト側で自動補正してくれます。
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初心者への助言: 「手動レベリングの苦労」を知ることも勉強にはなりますが、趣味や実用を目的とするなら、その時間は無駄です。最初から自動レベリング機に投資しましょう。
3. Zオフセットの「目視」追い込み
自動レベリング機であっても、最後の微調整である「Zオフセット(ノズルの初期高さ)」の追い込みは目視で行う必要があります。
定着のゴールイメージ
NG(遠すぎ): 線が「丸い糸」のまま転がっている。すぐ剥がれる。
NG(近すぎ): 表面がガサガサになったり、透明になるほど薄い。ノズル詰まりの原因。
OK(ジャスト): 線が少しだけ平らに押し潰され、隣の線と隙間なく「面」になっている。
この感覚を掴むために、印刷開始直後の1層目をじっくり観察し、プリンターの操作パネルから0.01mm単位で「Zオフセット」を微調整する習慣をつけましょう。
鉄則2:ベッドの「脱脂」を徹底する
ベッドに指紋(皮脂)がついていると、どんなに高級なプリンターでも樹脂は剥がれます。
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清掃の鉄則: 印刷前には必ず「脱脂」を行いましょう。
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プロの愛用セット: ティッシュは繊維が残るのでNG。無水エタノールと、毛羽立ちのないキムワイプの組み合わせが最強です。
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鉄則3:フィラメントの「吸湿」は印刷の大敵
「昨日まで綺麗に刷れていたのに、急に表面がザラつくようになった」 それはプリンターの故障ではなく、フィラメントが空気中の水分を吸ったサインです。
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対策: フィラメントを乾燥させるだけで、糸引きやポツポツした跡が劇的に改善します。
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必須ガジェット: 最近の主流は、乾燥させながら印刷できるフィラメントドライヤーです。 👉 これ一台で、古いフィラメントが新品同様の品質に復活します。
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鉄則4:定着力を「物理的」に底上げする
設定をいくら変えても剥がれる場合は、ベッドの表面材質(プラットフォーム)を変えるのが一番の近道です。
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PEIシートへの交換: ガラスベッドよりも圧倒的に定着力が高いPEIビルドプレートへの交換がおすすめ。冷えると「パキッ」と自然に剥がれる快感は一度味わうと戻れません。
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鉄則5:スライサー設定の「1層目」を最適化する
すべてをいじる必要はありません。「1層目」の設定だけを変えてください。
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速度を落とす: 1層目の印刷速度を20mm/s程度まで落とすのがコツです。
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ノズルを掃除する: ノズル先端にダマがついていると、1層目を引きずってしまいます。真鍮ブラシでこまめに掃除しましょう。
まとめ|失敗対策への投資は、結局「節約」になる
3Dプリンターの失敗は、時間も材料も電気代も奪っていきます。 今回紹介した「脱脂用のエタノール」や「乾燥機」は、数千円の投資ですが、これによってゴミになるフィラメントが減れば、数ヶ月で元が取れてしまいます。
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キムワイプでベッドを拭く
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ドライヤーでフィラメントを乾かす
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1層目の定着を目で見届ける
この3ステップを習慣にして、ストレスフリーな3Dプリントライフを楽しみましょう!







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